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ミラクルバナナを観たユーザーからのメッセージ
ミラクルバナナ
観たユーザーからのメッセージ

差し込む太陽のイメージ

― メッセージ1

錦織監督は本当に新人女優を発掘するのがうまいですよね。錦織作品にはまって何本か観ましたが、どの作品もそう感じました。映画としての完成度は、きっちり、かっきり、くっきりとは作っていない印象です。そして、この作品は台詞が非常に少ないです。

でも元来、言わずもがなの台詞など必要ないし、それどころか邪魔になってしまいます。緒方拳さんの台詞なんて、そういう役柄の設定ではありますが、ほとんどなかったですね。作り手というのはどうしても、訴えたいテーマを喋らせたがるものですが、この作品では本当に必要な最小限の量だったといえます。でも、話は充分伝わるし、言いたいこともすんなり伝わりました。途上国が抱える問題について、個人的に大いに気になることだったので、興味深く観せてもらいましたが、とてもさりげなく表現していました。地元の裕福な階層しか利用しないような、なんでも揃っているスーパーも、赴任した主人公が「へえ、なんでも揃ってるんだぁ」と感心するシーンとして挿入されていますが、後のストーリー展開に影響してくる貧困層との対比としても効果がありました。

しかし、その格差問題にしても、明るい性格の主人公設定で深刻にならずに済んでいます。問題があるならばその現状をいかに改善していくか、大きな改善でなくても目の前のひとつの小さな改善をするためにどうしたらいいのかという素直な発想で、大きな改善につながっていくものなんだという、分かりやすくて単純な真実をよくぞ教えてくれましたという素晴らしい作品です。だから、あまりこねくり回さない作りが逆に成功しているんだと思います。

― メッセージ2

軽いノリで始まり、ものすごく軽いノリで物事が進んでいきます。
ストーリーはオープニングでわかってしまいますが、特に問題ありません。
この映画の主人公:三島幸子(小山田サユリ)は、優しくて、とにかくポジティブです。そんな彼女の周りには、いい人しか集まりません。

そんな彼女が、偶然思いついた事をきっかけに、多少の挫折をしながらも、みんなの協力を得て、小さな奇跡を成し遂げるという話ですが、何かをなそうとして、一所懸命努力し、ついにそれを達成するというのは、小さな事でも感動します。

幸子が高台から、ハイチの街を見渡すシーンでは、なんとも優しい後ろ姿をしていて、幸子のこの国に対する愛情を感じます。

ハイチの明るい景色と人々の笑顔が印象的な映画です。
何故だかわかんないけど、日本と比べると、ハイチの人たちの方が生き生きしているように感じました。とても正常不安定な最貧国の一つとは、思えません。日本の豊かさってなんだか虚しい気がします。

ところで、壊れる車がアメリカの自動車会社製なのは・・・(実際、日本車が多いし、本当に壊れにくいんだよね~私も、さる南方の国に行った時そういわれた~)。

エンドタイトルの最後に、メッセージが。

― メッセージ3

悲しくて泣ける映画は数多くあると思いますが、嬉しくて泣ける映画はそんなにはありません。
そんな幸せな気分で泣ける素敵な映画です。
『白い船』同様、期待を裏切らない錦織監督に拍手!
スクリーンいっぱいのハイチの空、バナナ畑、子ども達の笑顔。
目を背けたくなるような厳しい問題を、優しい演出で伝えてくれます。

山から見下ろす海
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