映画作品紹介
RAILWAYSを
観たユーザーからのメッセージ
観たユーザーからのメッセージ
― メッセージ9
地味な映画です。
しかし、決して面白くないとか、退屈するとか、映画に入り込み難いという意味ではありません。
静かに時が流れ、淡々とした中に深くて心に残るシーンが沢山あります。
「ものつくりは誰のためだ」という問いかけや「好きなことやーなさい。それが一番の親孝行だがね」
「いくつになっても努力し続けさえすれば叶う夢もあるんだよ」といったセリフ・・・
言葉にしなくても表情で語りかけてくる役者さんの演技。
そして、極めつけはあのシーン。ホント素晴らしいシーンだ、派手な演出しなくても観る者の心をグッとつかむものがある。久々に涙腺が熱くなった。
中井喜一さんはうまい役者だね。心に染み渡るような味のある演技だ。決して熱く語るわけではないけど、心にグッとくるようなセリフ回しがたまんないな。
ストーリもいい。
50歳になってホントにやりたかった仕事につく。楽しいだろうね。同世代だから凄くよくわかる。働くってことは自分を殺して会社のため、家族のため、もちろん自分のためにもだけど頑張って、時には男なんてやめてしまいたいほど情けない思いをし、年齢を重ねれば重ねるほど責任の重さに息苦しくなっていく。そんなしがらみを全て捨てて自分のやりたいことをする。夢だよね。
そしてのどかな田園風景の広がる美しい映像。
何もかも全てが素晴らしい映画だと思います。
― メッセージ10
この映画には熱いメッセージがある。
細かいところで地方のリアリティーがある。
都会に住むものに向けた熱いメッセージ。
それは・・・・・。
将来が約束されていない地方鉄道の求人に新卒はなかなか来ない。
地方都市の多くの企業も同じ。
公務員や、郵便局、農協などに新卒が集まり人口も減り続け就職もないところを地方活性化の掛け声でマスコミが東京から上から目線で鼓舞するだけ。
リアリティーがないという人の多くはその理由としてこんなエリートがそう簡単に転職するわけがない、出来るわけない、というが。
肉親の死に向かい合った経験があるものには肇の気持ちがよくわかる。
お金ではない判断を迫られることが人生にはある。
経験のないものには突然転職したように思えるのかもしれないが母の病気だけで動機付けは充分納得できた。
地方出身者にはすごくリアルである。
また49歳での転職もいすみ鉄道の事例、その現実はこの映画を裏付けている。
この映画の真価は地方の疲弊をネガティブに捕らえるのでなく希望を持って捕らえたこと。人生とは、家族とは、といったテーマに感動しただけでなく地方の現実を踏まえたリアルな映画に仕上がっている。
肇は自身の夢に乗せて今までの親不孝を取り戻そうとしたわけではないでしょうが、多くの地方出身者はこの行動は身につまされたのではないでしょうか。
多分ほとんどの人は転職は出来ないでしょう。
しかし、職があれば給料は少なくても帰りたい人は多いのが現実。
主人公の行動から見える地方の現実は都会ではわからない。
地方の現状をよく理解したストーリーだと感心した。
政治家や日本を動かす企業人にぜひ見せたい。
テレビ朝日や読売新聞などの名前がエンドロールにあったが夢にチャレンジ、だとか家族の再生、などの切り口だけなのが残念。
もっといろんな問題が見えてくるのにとても残念だ。
― メッセージ11
小説や漫画でなく独自の取材で得た現実を上手く脚本化してある。
見事な地方映画を生み出したROBOTや松竹などの映画会社、監督やスタッフに拍手を送りたい。
最近稀な冒険している意欲作であり問題作だと思う。
マスコミがこの部分に触れないのは、多くの映画がそこに迎合している以上自己矛盾に陥るからなのかと勘繰りたくなった。
マスコミはそこまで深く映画を考えてないのかもしれない。
救いなのは、多くの評論家がこの映画に好意的に評論していたことだ。
地味だからヒットは難しいかもしれないが、アイドルが主人公や売れた小説の映画化ばかりのなかでこの映画の誕生は大きな出来事だと思うし、他の映画とは同列には批評できないくらい素晴らしいことだと思う。二度映画を見せていただいた。製作者に心より感謝する。